本当は　少しだけ怖かった


いつも通り　学校が終わって


陽也君を待っていた


里佳も一緒に待って居てくれる


「那未？　どしたの？」


「え？」


「なんか・・・上の空だけど


綾斗君に何かされた！？」


そう言いながら　里佳は


心配そうな顔をしていた


「・・・ううん　私


陽也君の事　何も知らないんだなって」


そう　何も知らない


深い意味とか・・・ない


「恭平に聞いてみようか？」


「・・・いいよ」


あまり詮索するのは


よくないもんね・・・


「那未」


ドキン


声のする方を見ると


陽也君が立っていた


「じゃあね」


「あ・・・うん」


里佳は　手を振って


歩き出した


「待ったか？」


「ううん・・・」


「・・・行くか」


ぎゅ


手を握られて　歩き出した


「ちょっと・・・連れて行きたい


場所があるんだ」


「え？」


そう言いながら　陽也君は


歩くスピードを早めた