色々考えてみたけど


思い付かない


「・・・なんでもない」


少し笑いながら


誤魔化すみたいに言った


「・・・何か 心配事でも


あるのか?」


「え?」


見ると 陽也君は少し


悲しそうな顔をしていた


もしかして・・・心配されちゃった?


「そんな事・・・ないよ?」


「もしかして 綾斗に何か


言われたのか?」


「・・・大丈夫だよ!


最近 綾斗から連絡ないし


会ってもないから!」


わざと明るく振る舞った


鞄の紐を持つ手が 少しだけ


震えていた


「・・・無理にとは 言わない


でも 俺は那未を受け入れたい」


「・・・陽也君」


私の心には 少しだけ


不安が広がっていた