鞄からスマホを出して 里佳に電話する


『もしもし?』


「・・・里佳? 今いい?」


『どしたの?』


さっきの出来事を 話した


『マジ? 綾斗君に会ったの?』


「うん・・・」


『大丈夫だった?』


さすがの里佳も 心配している


「すぐに・・・帰ったみたい


でも 電話とメール来そうで」


『・・・那未 山宮君に話したら?』


「え?」


話すって・・・もしかして


あの時の事?


「でも・・・思い出したくない」


ただでさえ 夢に見るのに


たまに・・・思い出すのに


『私 山宮君なら


大丈夫な気がするの・・・


でも 無理に話さなくていいから』


「うん・・・ありがとう 里佳」


電話を切って ソファーに


横になる


陽也君なら・・・大丈夫?