どのくらい歩いただろう


さっきから 那未は


ずっと俯いている


「なあ あの子って


仮谷那未ちゃんだよな?」


「マジ? やっぱり可愛いなー」


なんて声が聞こえて来た


チラッと那未の方を


振り返ると 俯きながら


悲しい顔をしていた


俺は 早歩きで那未を引いた


しばらくすると 那未の住む


マンションが見えた


「那未? 着いたぞ?」


「・・・一緒に居て?」


え?


那未は 顔を上げて


泣きそうな顔をしながら


俺を見た


「1人に・・・しないで?


お願い・・・だから


一緒に居て?」


那未が少しだけ


震えているのがわかった