落ち着かなきゃ・・・


何度もそう言い聞かせた


エレベーターが最上階に着いて


抱き抱えられたまま降りた


すると綾斗は私を下ろした


「もういいだろ?


てか大丈夫だろ」


「・・・」


その言葉に目を見開く


どういう意味?


「俺 このマンションに


ダチが住んでてさ


そいつの家に行く途中で


離れた所から変な奴が


マンションの様子見てたから


そしたらお前が居てさ」


もしかして・・・助けてくれたの?


「本当はさ ずっと謝りたかったんだ」


「・・・」


涙が頬を伝ったのがわかった


綾斗は私の涙を指で拭う


ぎゅ


「もう・・・絶対にあんな思い


させないから」


ドキン


音が変わった


どうして? 綾斗が怖かったはず


それなのに・・・


綾斗は私の肩を押した