売り言葉に買い言葉で言ってしまったことにやきもきしていると、浮かない顔をしていたはずの霧島くんが口角をくいっと上げて不敵な笑みを見せた!



「へぇ~。そうきたか。」


「へ?!あ、あの、霧島…くん…?」




なぜそのようなお顔になっちゃったの!?




こういう顔をするときは決まって何かを企んでいる時で…。




「じゃ、咲希に甘えて遠慮なく泳がせてもらうとするか。」


「…え?そ、そう。」




ほっ…。



なんとかうまく話がまとまって良かった。





と、思ったその時だった!!



「一周3分で帰ってくるから。んで、俺が咲希に追いついたらご褒美な?」





………………え”!!?





ご、ご褒美?!




「ちょっと待って!!ご褒美って!?それにその条件って結局霧島くんが私のところに戻ってくるからご褒美しないわけにはいかな…」


「んじゃ3分後、楽しみにしてるから。」


「え!?霧島くん!!ご褒美の内容を…って、あれ!?もういない!!?」



彼のスタートダッシュを見逃してしまった私は、途方にくれてしまう。





それにしてもご褒美って何!?




霧島くんには申し訳ないんだけど、ちょっと嫌な予感が…。





彼の何らかの攻撃にあうのは確実なんだと悟った私。




でもそこには、少なからず期待して待つ自分がいるのにこの時の私は驚きを隠せないでいたのだった。