「霧島くん!?私は訳も分からずこんなところで笑顔をふりまくわけないじゃない!そ、そんなに心配しなくても大丈夫だよ!?」


「ダメ。咲希は無防備すぎなんだから、もうちっと自覚を持たねぇと。」


「で、でも!私だってもう高校生なんだし!こんな明るい時間に“人さらい”に遭うわけないと思うの!」


「ダメ。他の男に変な目で見られるなんて俺が……………。は?!人さらい?!!」


「それにここは人が多い場所だし、変な人が近づいてきたら大声を出すから大丈夫だし、」


「咲希…それ本気で言ってんの?」


「そもそも大富豪の娘ならともかく…………って、え?何が?」



すると霧島くんが“はぁ~~。”と全身で深いため息をついた。




ま、まずい!




またしても私、霧島くんの話を聞いてなかった!?




「マジかよ。これじゃ先が思いやられる…。」



と、何やら頭を抱えはじめてしまった。





むっ!




なんだかよくわからないけれど、とても失礼なことを言われているような気がする!



「とにかく霧島くん!私は一人でも平気なので安心して泳ぎに行ってきて下さい!」


「これじゃ余計に無理だって。」


「なっ!?き、霧島くんが行かないのであれば、私が先に泳いで行っちゃいますけども!?いいんですね!?」


って!



何ムキになってるのよ私!



それじゃ意味ないじゃない!!