「き、霧島くん?どうかしたの!?」


「なんで…あの野郎がここに……!?」


「へ?“あの野郎”って…??」


と、質問しながら霧島くんの視線の先を追うとそこにはっ!!




「え!!?なんでマリコさんっ!!??」



メガホンを片手に持ってプールサイドの監視員用の真っ白い椅子にドカッと着座していたマリコさんがそこには居た!



なぜマリコさんがこんなところに?!


まさかマリコさんもここでバイトを?!


いやでも、コピ・ルアックの店長さんなのにどうして??!



この時ばかりは謎が謎を呼んだ。




と、その時だった!!





《あら!?咲希ぃ~~~!!!やっと見つけたわーーー!!久々の登場マリコよぉ~~!!!》




ぎゃっ!!



見つかった!!!




しかもメガホンで叫んでるから声量が普段の五倍はある!!




すると隣からはそれとは逆に妙に冷静な声が聞こえてきた。



「“のりオカマ”野郎……店を休みにしたのは端(はな)っから俺たちのデートを覗き見るためだったのかよ……………。」


「え?あの、霧し」



「―――ブチ殺すッッ!!!!」



そう霧島くんが吼(ほ)えると拳をつくって目を怒らせたっ!!!



こここ恐すぎるってば!!!



霧島くんがその台詞を言うとシャレに聞こえなくなってくるもん!!



とにかくここは宥(なだ)めるしかない…よね?



「とととにかく霧島くんっ!マ、マリコさんのところへ行ってみようか!」


「は!?なんであんな変態野郎のところへ行」


「いいから、いいから!きっと何か事情があるんだと思うの!だ、だから一応訊いてみないとっ!ね!?」




しかめっ面の彼の背中を押すとマリコさんのところへ私達は急ぎ足で向かったのだった…。