「い、いえ!!私は最初からあの“タコ”が欲しかったので!!」


「まぁ。素敵なお嬢さん、ありがとうございます。」


「え?!す、すてき??!」



その言葉にカァ~~ッと全身が熱くなるのを覚えた。




すると私のすぐ側にいた霧島くんは、わざわざ前屈みになって私の目線と同じ高さにすると……。



「俺、咲希のそういうところもスゲー好き。」



と、霧島くんが耳元でそう囁いた瞬間!





チュッ。




「ひょわああぁぁぁっっ!!!!!??」




耳朶に掠めるようなキスをされたっ!!




「あぁーーー!!おねえちゃんたち、いまチュウした!!!」


と、大きな声が私の耳をつんざいた!!



ひえぇぇ!!


男の子に見られてたっ!!!



しかも周りの人達までもが注目してきてる!!?



なぜに!?




「ねぇ!なんでいまチュウしたの?」



いや~~!!!



それ以上のことは聞かないでぇぇ!!



そんな私に代わって霧島くんが男の子に話しかける。


「いいか、ボーズ。チュウっていうのは愛しいと感じたとき、相手の隙を狙ってするもんなんだ。理性なんかじゃ図れねぇのがチュウなんだ。わかるか?」


「ちょっと霧島くん!!!子供になんてことを教えてるの!!?」


「ほら見ろ。姉ちゃんの顔があのタコと同じ色になっちまったろ?これは兄ちゃんに惚れてる証だ。」


「そっか~!おねえちゃんはおにいちゃんのことを考えるとタコさんになっちゃうんだね!」





き、消えて無くなりたい!!



霧島くんの意地悪攻撃はますます私の心臓を高鳴らせたのであった……。