「あれ。理人!お前も来てたのか。」


と、ヤスさんの至って平常心な声色が私の耳に届いた。



「ヤス。てめぇ、いつまでも咲希のことをジロジロジロジロ見やがって……!」



ん”!?



霧島くん!?



まさかとは思うけど、いま投げたのって霧島くんじゃないよね?!




ちょうどビーチボールの飛んできた方向には霧島くんがいた!



そ、それにしても、



なぜかお怒りになられてるんですけどっ!!?



さっきまではご機嫌だった霧島くんなのに、ヤスさんの可愛すぎるアロハシャツに気分を害したのか、負のオーラが全開だった!



「悪いな、理人。気がつかなかった。でもボールを吹っ飛ばすのは勘弁な!あと0.5秒反応するのが遅かったら俺の鼻の頭が削られるところだったな!アハハ。」



え!!



ヤスさん笑いごとじゃないよね!??



「それも計算してスレスレのところを投げてやったんだよ…。俺の外角低めのストレートの命中率は99.9%だからな!!」



霧島くん、それいま自慢することじゃないよね!?



やいのやいのとお互い言い合っていると、さっき走っていた男の子が何やらお母さんにねだっている声が聞こえてきた。




「ねぇ!!ほしいよーー!!」


「でもレンタルみたいだし…。今度来るときに買ってあげるから!ね?」


「やだやだ!!あれに乗ってプールはいりたいよぉーーー!!!」


「もう!我儘言わないの!!」



あ…。


もしかして屋根に釣る下げてある動物の形をした浮き輪のことかな?




そういえば子供の頃、私もお父さんにねだってたことがあったっけ!



懐かしいなぁ~。