「咲希。なんで逃げようとしてんの?」


と、霧島くんが突然後ろから私の腰に腕を絡ませてきたっ!




ぎゃあーーー!!



今はある意味、放っておいてほしいのに~!!



さっき犯した自分の失態にちゃんと向き合いたい気持ちでいっぱいなのに、そんな私を引き止めてさらに抱き寄せてくる霧島くん!



頭が熱で沸騰してしまいそうでどうにかなってしまいそうだ!!


「あああああの、離して…、」


「やだ。つーか無理。」




なんで!!!




「でででも!早くプールから出ないと、他の人の邪魔になっちゃうし…!」


「そんでも無理なものは無理。咲希に触りてぇ…。」


「え?!ちょっと!!?待って、霧島く、」


「却下。待たない。」



そう言うと彼は腰に添えていた手をだんだんと上へと体のラインに沿って撫で上げてきた…!


「ん!っ!待っ………、ゃ。」


タラップを持つ両手にだんだんと力が入らなくなってきて、持ち手が下がってきてしまう。



「やめ……っ、きりし…ま…くっ!ひゃあ!!」


「こんな可愛い咲希の姿を見せられて、我慢しろっていう方が無理だし。」




!!!!



そ、そんな!!



「でも、ここは公共の!…っ、ん、きゃ!」


「見てねぇよ、誰も。つーか誰にも見せねぇし、絶対。」




そして霧島くんのしなやかな指が、私のビキニの上を這う…!




「っ!!!やっ!」




と、その時!



突然ピタッと霧島くんの動きが止まった!!



…………………え?



ど、どうしたんだろう??



振り返って彼を見ると、険しい表情で辺りを見回している。



そして。


「咲希、伏せろ!」


「えっ!!?…ハイッ!」



霧島くんの鋭い声に反射的に反応して言われた通りに顔を伏せると、遠くから騒がしい声が聞こえてきた。



それは徐々に近づいてきて、私達のすぐ側までやって来た!