「……っ。」


ほんの少しだけ触れられてるだけなのに、上手く息ができない…!



も、もしかして、



こんなに人が多いところでまさかの、




キ、キスッ?!!



艶めいた霧島くんの唇が近づいてくる予感がして反射的にキュッと瞼を閉じる!



すると。



「…よし。これでいいだろ。」



…………へ??



穏やかな霧島くんの声がしたのでそっと薄目を開けて見てみると、目を細めて微笑んでいる彼が映った。


「髪の毛がおでこに張りついてた。」


と、私の乱れた髪を綺麗な指先で直してくれた。



「――ッ!!そそそそうなんだ!!あ、ありがとうっ!!」



うわあぁぁーーーー!!



恥ずかしすぎる間違いを犯してしまったぁーーー!!!



こんなんじゃ私、常に変なことを考えてる女の子になっちゃう!!!!



火山が噴火するように、私の体温も一気に上昇して今にも頭から噴き出しそうなほどだ!!


とりあえず掌を頬に当てて、顔に溜まった熱を冷まそうとする。



そしてそろりと霧島くんの顔を盗み見てみると…。



「ん?なんか顔が赤いけど…。また意識してんの?俺の裸。」


「なっ?!!ま、全く?!そ、そんなこと、全然無いですよ?!!」



またもや核心をつかれてしまい、酷く動揺してしまう私っ!




“キスされるかと思って待ってました。”




………なんて、




死んでも言えないっっ!!!




ここはとりあえず話を逸らそう!



「じゃあ、そろそろプールから上がりますかね?!!うん、そうしよう!というか、そうしましょう!!」



私は霧島くんにこれ以上ボロを出して彼にヘタに悟られないためにも先にプールから出ようとする!




プールタラップ(=梯子)に手をかけて上がろうとした、



その時。