あ!笑っちゃって悪いことしちゃったかな!?


「えっと、あのですね!?それを聞いたらなんだか嬉しくなっちゃって!霧島くんにそんな風に言ってもらえる私はすごく幸せだなって思って!!」


「っ。そ、そうか!」



ん……?


霧島くんの顔がさらに赤く染まっちゃったよ!


なぜ!?



すると霧島くんは私を抱きしめる手を弛めると、口元を手で覆う。


「……咲希って天然のわりに、たまにブチかましてくるよな。」


「え??」


「別に。なんでも。」



そう言った霧島くんはなぜか私を恨めしそうに見つめていた。



でも、そっか。



水着姿か……。



確かに見せることに恥じらいは感じていたけれど、私も一番最初はやっぱり霧島くんに見てもらいたかったな。


そう思ってふと自分の水着に目をやる。




……………。



………。




あ!そうだ!!




「霧島くん!まだ平気だよ!!」


「…咲希?」


私はデッキチェアから立ち上がると霧島くんの正面に立った。



そして胸元に巻いていたパレオを解く…。


「ほら!これが本当のビキニでしょっ?」


「――っ!!」



そう。この姿はまだ誰にも見せてはいない。



パレオでビキニが透けて見えていたとしても、ちゃんと見せたのは霧島くんだけ。



「ね?だ、だから、“最初”は霧島くんだよ?わ、私、ビキニ生まれて初めて着たし…!」


「…………。」



あれ!?うそ!!



霧島くんが固まっちゃったよ!!!



まさかビキニ似合ってなくてショックを受けてるとか?!!



ガーーーン。



さすがにそれは、へこむな……。


勇気を出して見せたんだけど失敗しちゃったかな?!




すると霧島くんは急に俯くと、


「ああぁぁぁぁぁ”!!!チクショーーーー!!!!」


と、なぜか雄叫びがッ!!!




え!??



なぜ、“チクショー”なのだろうか!?



やっぱり似合ってなかったかなっ!?



内心、気が気ではない私は霧島くんの反応にかなりハラハラしていた!



「あ…あの……。霧島くん……。そんなに似合ってな」


「可愛いすぎなんだよ…!」


「いかな……………。え?」



ん!?



いま何て言ったのか聞こえなかった!!



「あの~、霧島くん、今なんと……?」


「咲希ッ!!」


「ハ、ハイッ!!!」



急に呼ばれてシャキーーンと姿勢を正す私!




そして。



「あんま可愛いことばっかすると、襲うぞ!?」


「え?え??襲う???」


「そうなったら咲希のせいだから。ちなみにその時は責任取らないから、俺。」




ど、




どういうことなんだろうか……。



???




でも“可愛い”って、霧島くん言ってくれた!



よかった!!





霧島くんの言った意味をちゃんと理解していなかった私は、彼の褒め言葉と受け止めて胸がいっぱいになっていたのだった。