どうしてこんなことになったのか。


それはある些細な出来事がキッカケだった。








ある日の自習時間の教室でのこと…。



「暑い”~~。干からびる~~~。」



強い陽射しが差し込み、蝉がうっそうと鳴いている今日この頃。



「千枝ちゃん。その……、足は閉じた方がいいんじゃ……。」


「唯ちゃんってばー!大丈夫、大丈夫!下に短パン履いてるし、パンツなんか見えやしないよ!アハハ。」



一学期も後半に入り、


このところ猛暑に近い真夏日が続いていた!



「ち、ちーちゃん、多分そういう問題じゃないと思うよ!?その態勢、まるで男の子の座り…」


「もう~。咲希も心配症なんだから!パンツ丸見えの失態なんか犯さないよ、あたしゃ!!あ”ぁ~~、それにしても暑い”~~~!!!」


そう言うと二ノ宮千枝ちゃん、
通称ちーちゃんはまた足を広げて下敷きで豪快に扇ぎ始めた。



ちーちゃん…。


多分、ジャージ(短パン)を脱いだ方が間違いなく涼しいのに……。



「ち、千枝ちゃん!だから足広げすぎだってば…!」


そしてそんなちーちゃんを優しく注意しているのは高杉唯ちゃん。



二人とも私の親友で、クラスメイト!



そして今は数学の自習時間で、三人で机を向かい合わせにして課題を解いていた。



教室の窓は全開なんだけど、相変わらず今日も生温かい風がそよそよと吹いている。



「でも、確かにここのところ急に暑くなり始めたよね…。今年は冷夏って予報あったのに……。」


と唯ちゃんも頬を赤くしてパタパタと小さな団扇で扇いでいた。