その日の夜ーー



私はバイト先に居た。


「お疲れさま、鳴瀬さん。気をつけて帰ってね。」


「あの、店長!日曜日のシフトの件、本当にありがとうございました!!」


「ん?あぁ!いいよ、いいよ。鳴瀬さんはいつも頑張ってくれてるし、逆にいつもこっちが頼んで入ってもらっちゃってるからさ!気にしないで日曜日楽しんできなよ!」


「……!!は、はい!!ありがとうございます!失礼します!」



それからお店のスタッフにも挨拶を済ませて店内から出ると、モアっとした暑い空気に包まれた。



ふぅ~。今日も無事に終わったな。



でも……、



日曜日シフト代わってもらえて良かった!!



バイト先の店長に相談したら、快く引き受けてくれたし…。


勇気出して言って正解だったな!



思わず口元も綻(ほころ)んでくる。



嬉しいな……。


私もみんなとプール行けるんだ…!




と、そこへ。




「なんか良いことでもあった?」



「え……。」



急に声が飛んできた方へ目を向けると……。



「霧島くん!!」


「よっ!今日はいつもより遅かったな。」


声の主は霧島くんで、店先のガードレールに腰をかけて待っていた!



「あれ!?もしかして今日メール送ってくれてた!?私携帯見るのウッカリしてて…!待たせちゃってごめんね!!」


「いや、今日は内緒で来たから咲希が気にすることなんてないよ。」


「そ、そっか。でもびっくりしちゃった!突然霧島くんが居るから。」


「ハハッ。咲希の驚いた顔、可愛かった!やっぱ写メ撮っておけば良かったな~。カメラモードにして待ってれば撮れたのにな?」


「なっ!!」



もう!相変わらず意地悪なんだから!