ジストは相変わらず笑顔のままだ。見ようによっては胡散臭い。
「ゼルくんは照れてるんだよ。エナちゃんに仲間って言われて嬉しいくせにまだ戸惑ってるんだ」
「悪いね、アンタには聞いてないんだよ、アタシは。どうなんだい、ゼル」
寝ていても嘘がつけそうな男の答えなど信じられるものか。
一度でも舞台を共に作り上げた以上、エナはもう家族のような存在だ。
妹のような――年齢的には母子だが――エナを何処の馬の骨とも知れぬ男に易々と渡すわけにはいかない。
「どう…って言われても」
ゼルはこめかみを掻いた。
「旅の道連れってゆーか……や、何かピンと来ねーな。でもよ、な、仲、間とか…どういうモンかわかんねェし……」
しばらく何かを考えていたようだが、ゼルは急に文字通り、頭を抱えた。
「………だぁぁっ! 何でオレがこんなに困らなきゃならねンだよ! そもそも一人で飛び出してったあいつが悪ィんだろが! エナに会わせろ! 一発殴らせろォ!」
鉄扇でー! と喚くゼルを見て、ヴィルマは溜め息を吐いた。
「……成る程。信じよう」
「へ?」
素っ頓狂な声に思わず笑いそうになる。
ここまで馬鹿正直な男はこのご時世なかなか居ない。
頭を抱えて悩み喚き詰るゼルの言葉に感じた“相手を案じる気持ち”。
それは紛れも無くエナに向けられているのだ。
疑うべくもない。
「エナは愛されているんだねぇ」
「あ、愛?! いや……」
狼狽するゼルを優しい目で見つめる。
「だってそうだろ? 心配してたのに、元気に舞なんて踊ってたんで腹がたったんじゃないのかい」
「違ェよ!! 放っておいたら死人が出そうだからで!!」
エナは確かに女性とは思えない身体能力を持っているが、明るくてかわいらしい普通の女の子だ。
死人が出るなど大袈裟過ぎて笑ってしまう。
「あの子にそんなこと出来やしないよ、何言ってんだい。嘘はつけないのに素直じゃないのかい。温かい家庭で育った長男ってところだね」
喉に空気でも引っ掛けたのか、ゼルが咳込んだ。
本当に何処までわかりやすいのだろうか。
「ゼルくんは照れてるんだよ。エナちゃんに仲間って言われて嬉しいくせにまだ戸惑ってるんだ」
「悪いね、アンタには聞いてないんだよ、アタシは。どうなんだい、ゼル」
寝ていても嘘がつけそうな男の答えなど信じられるものか。
一度でも舞台を共に作り上げた以上、エナはもう家族のような存在だ。
妹のような――年齢的には母子だが――エナを何処の馬の骨とも知れぬ男に易々と渡すわけにはいかない。
「どう…って言われても」
ゼルはこめかみを掻いた。
「旅の道連れってゆーか……や、何かピンと来ねーな。でもよ、な、仲、間とか…どういうモンかわかんねェし……」
しばらく何かを考えていたようだが、ゼルは急に文字通り、頭を抱えた。
「………だぁぁっ! 何でオレがこんなに困らなきゃならねンだよ! そもそも一人で飛び出してったあいつが悪ィんだろが! エナに会わせろ! 一発殴らせろォ!」
鉄扇でー! と喚くゼルを見て、ヴィルマは溜め息を吐いた。
「……成る程。信じよう」
「へ?」
素っ頓狂な声に思わず笑いそうになる。
ここまで馬鹿正直な男はこのご時世なかなか居ない。
頭を抱えて悩み喚き詰るゼルの言葉に感じた“相手を案じる気持ち”。
それは紛れも無くエナに向けられているのだ。
疑うべくもない。
「エナは愛されているんだねぇ」
「あ、愛?! いや……」
狼狽するゼルを優しい目で見つめる。
「だってそうだろ? 心配してたのに、元気に舞なんて踊ってたんで腹がたったんじゃないのかい」
「違ェよ!! 放っておいたら死人が出そうだからで!!」
エナは確かに女性とは思えない身体能力を持っているが、明るくてかわいらしい普通の女の子だ。
死人が出るなど大袈裟過ぎて笑ってしまう。
「あの子にそんなこと出来やしないよ、何言ってんだい。嘘はつけないのに素直じゃないのかい。温かい家庭で育った長男ってところだね」
喉に空気でも引っ掛けたのか、ゼルが咳込んだ。
本当に何処までわかりやすいのだろうか。

