砂漠の賢者 The Best BondS-3


 「ラフは何処?」

 胸倉を掴んで半身を起こさせる。
 男は歪めた顔と怯えた目で周囲を見回した。

 ジストとゼルの姿を捜したのだろう。

 エナ一人だと知った男は横柄な態度で臨もうとして…――失敗した。

 「へっ! てめぇで捜……」
 「ラフは何処!」

 恫喝(ドウカツ)。
 男の体がびくりと震えた。
 中途半端な男に、この一喝が有効なのは知っていた。

 「弱い者虐めは嫌い。でも、言わないなら容赦、しない。」

 手を男の目に近づける。
 本気だった。
 本気で目を刔るつもりだった。
 そのことが伝わらなければ甘く見られる。

 「突き立てる。五…四…さ…」
 「言う! 言うから待っ…!」

 男は目をつむった。

 「さっさと言え。三…ニ…」
 「……う、売った!」

 エナの指が止まる。

 「何処に?」

 男は恐る恐る目を開く。

 角膜に触れるか触れないかの距離。

 「そ、それは守秘義務が…」
 「そんなので、あたしが引くと思う?」

 親指を目の下に押し付ける。

 男はぶるぶると震え、あっさりとラファエルを売った先を教えた。
 エナは目を瞠った。

 なぜなら、その場所とは……――