「ラフは何処?」
胸倉を掴んで半身を起こさせる。
男は歪めた顔と怯えた目で周囲を見回した。
ジストとゼルの姿を捜したのだろう。
エナ一人だと知った男は横柄な態度で臨もうとして…――失敗した。
「へっ! てめぇで捜……」
「ラフは何処!」
恫喝(ドウカツ)。
男の体がびくりと震えた。
中途半端な男に、この一喝が有効なのは知っていた。
「弱い者虐めは嫌い。でも、言わないなら容赦、しない。」
手を男の目に近づける。
本気だった。
本気で目を刔るつもりだった。
そのことが伝わらなければ甘く見られる。
「突き立てる。五…四…さ…」
「言う! 言うから待っ…!」
男は目をつむった。
「さっさと言え。三…ニ…」
「……う、売った!」
エナの指が止まる。
「何処に?」
男は恐る恐る目を開く。
角膜に触れるか触れないかの距離。
「そ、それは守秘義務が…」
「そんなので、あたしが引くと思う?」
親指を目の下に押し付ける。
男はぶるぶると震え、あっさりとラファエルを売った先を教えた。
エナは目を瞠った。
なぜなら、その場所とは……――

