今の講演が終われば次の本番の講演までエナには自由時間が与えられていた。
「じゃあ夜にね。遅れるんじゃないよ、あんたが居なけりゃ成り立たないんだからね」
「よく言うよ。舞姫のヴィルマさん」
「客だって若いコが踊ったほうが嬉しいんだよ。アタシは経営者さ、目の前の利益は逃さないよ」
悪戯っぽくヴィルマは笑う。
とても五十前の女性とは思えない美しさだ。
「恐れ入るわ。美人って皆強かなのね」
「ふふ、ありがと。ああ、コレ持っていきな。集合はココ、動く塔だからね」
ノービルティアの地図を渡され、パンストを破かずにはけるのかと思う程伸びた爪が地図の一部を指さした。
エナはもう一度ヴィルマの目を見る。
「わかった」
しっかりと頷いた。
さて、男とラフを捜さねばならない。

