「エナ!」
「エナちゃん!」
ずっと見守っていただけの男の声に目を戻すと、男二人の手の間に力なく項垂れるエナの姿。
浅い呼吸を繰り返す少女の目は閉ざされていた。
力の抜き具合から、既に気を失っているのがわかる。
肩と足に深手を負い、黒煙を吸い続けた上に、更に歩いてあれだけ話せば当然の結果だ。
リゼは瞳を閉じて考える。
瞼の裏にはエナが意識を失う直前に見せた笑み。
あの微笑の意味するところが気になって仕方がない。
エナを背負ってさっさと出て行こうとする男たちに、にっこりと笑顔を準備したリゼは、善意からではないが破格と呼んで差し支えない言葉を口に乗せた。
「今、医者を呼びましょう」
二人は振り返る。
「……何、企んでやがる」
短髪の男が睨み付けるのは当然だ。
だが、こちらには切り札がある。
「心外ですねえ。今からまた地下道を通って医者に診せる気ですか? そんな悠長にしていたら、彼女、死にますよ?」
二人の顔色が変わる。
か弱い命を弱点とする二人にリゼはとびきりの笑顔で首を傾げた。
「さあ、私を上まで連れて行ってくれますね?」
紅の男の舌打ちが、その答えを告げていた。
「エナちゃん!」
ずっと見守っていただけの男の声に目を戻すと、男二人の手の間に力なく項垂れるエナの姿。
浅い呼吸を繰り返す少女の目は閉ざされていた。
力の抜き具合から、既に気を失っているのがわかる。
肩と足に深手を負い、黒煙を吸い続けた上に、更に歩いてあれだけ話せば当然の結果だ。
リゼは瞳を閉じて考える。
瞼の裏にはエナが意識を失う直前に見せた笑み。
あの微笑の意味するところが気になって仕方がない。
エナを背負ってさっさと出て行こうとする男たちに、にっこりと笑顔を準備したリゼは、善意からではないが破格と呼んで差し支えない言葉を口に乗せた。
「今、医者を呼びましょう」
二人は振り返る。
「……何、企んでやがる」
短髪の男が睨み付けるのは当然だ。
だが、こちらには切り札がある。
「心外ですねえ。今からまた地下道を通って医者に診せる気ですか? そんな悠長にしていたら、彼女、死にますよ?」
二人の顔色が変わる。
か弱い命を弱点とする二人にリゼはとびきりの笑顔で首を傾げた。
「さあ、私を上まで連れて行ってくれますね?」
紅の男の舌打ちが、その答えを告げていた。

