【玲音side】














やっと戻ってきた
平穏な帰り道。


なのに何かが物足りなかった。






原田の似合わない
ミルクティーも、

眼前に広がる夕暮れの道路も、
全てが同じのはずなのに。






「玲音くん!」




子犬...というか



ヒルのように
まとわりついてきた
月島がここには居ない。





「諦めた」と原田は言うが
その程度の想いだったのかと

清々するの裏側に
微かな寂しさが滲むのは
否定できない。