蒼依「それはただ責任を押し付けただけの最低人間だ。」
麻亜「うわああああッッ!!」
蒼依「恋なんてしなければ、お前は人を殺さずに済んだ。
蘆田陸を好きにならなければ。
苦しい思いもしなくて済んだ。」
──カラン
蒼依「もういい加減目を覚ませ。
前だけを見ればいい。
自分のやったことを全て話せばいい。
そして生きて償え。」
麻亜「うわああああ!」
私の思いが彼女に伝わったかわからない。
優兎斗を愛さなければ私は過去に縛られる事もなかった。
でも優兎斗を愛したお陰で得れたものもたくさんある。
仲間や愛、命の大切さ、そして新しい命。
そう考えればやっぱり優兎斗を愛してよかったっと思う。
けして優兎斗を失って良かったわけじゃない。
今でも叶うならこの世界で優兎斗と共に生きたかった。
でも人間は運命には逆らえない。
それはどんな事があっても。
ただひたすら前を見て歩くことしかできない。
彼女はただ陸を愛しすぎた。
ただそれだけの理由。
──パーン
でもその彼女の気持ちを利用した。
成敗しなければいけないやつが他にいる。
「素晴らしい瞬発力だこと。
やっぱり君は───」
零「やっとお出ましですか?
ちょっと遅すぎません?」
本当の黒幕は。
蒼依「悪魔……いや、尾見瞬(Omi Syun)」
尾見瞬、別名:悪魔
そして
魁柊「………兄、貴?」
魁柊の実の兄だ。
( 一途な彼と不器用彼女① end )