*.**.**.* 信号が青に変わった。 ともすれば寒さで痛む手のひらで、ハンドルを握りしめる。 変速機は1番重いものにしているから、進み出しはかなり重いけれど、勢い良く漕ぎ出せば、自転車はスイスイ進んでいく。 小学校高学年から乗り続ける自転車だから、変速機を軽いのにしていると、何もしなくても、勝手にギアチェンジして、重くなる。 それが鬱陶しくて、この頃はずっと、1番重いギアで乗っているのだ。 「さむっ……」 前方からの風に、つぶやきだけでなく、涙までこぼれた。