手が届く場所

「いやね、俺はその因果関係?が知りたいわけよ。」


首を捻りながらも俺への問いかけをやめない大場。


因果関係、なんて難しい言葉を使う大場に対し

そんな言葉知ってたの?なんてからかう冬馬。


冬馬なりに、場を和ませようとしているらしく、
その気持ちがただただ嬉しかった。



「まぁ、隠してた方が良いのかも知れないけど…

気になるんなら話すよ。


俺が加藤和希を嫌いな理由。」



二人とは、一年の時から付き合って来ている。
今まで、何度"蒼龍"の話をしたかもわからない。


けどこの話に触れたのは初めてだ。
つまり、


二人ともに遠慮させていたってことだろう。


その長い一年間を思えば、
話すべき事なんだろうと思う。