『雫のことを詳しくは言えないけど、いつかその理由がわかるから』
ただそう言って、博さんは神雷の洋館から出て行った。
その時の博さんの表情は、とても複雑そうだった。
「もう少し調べてくれるか、瑛士」
「いいけど、多分出てこないよ。ま、もう少し頑張ってみるけどさ」
瑛士はグッと伸びをしてから、自分のノートパソコンを開き、カタカタ…といじり始めた。
瑛士は天才だ。
だから余計、雫を不審に思う。
天才の瑛士がここまで頑張っても、出てくる情報が少ない。
だとしたら、誰かが雫の情報に、ロックをしている可能性がある。
だったら、誰が……。
博さんが?それとも――。



