「確かに秘密多いよね、雫ちゃん」
蒼の言葉に、郁人が何度も頷く。
瑛士がハッキングして出た情報が、名前と生年月日と年齢。
他は、特に載っていなかった。
瑛士のハッキングのテクニックがあれば、普通はありとあらゆる情報が出てくる。
家族構成、過去、住所……。
だけど、あいつを調べて出てきたのが、たったの三つ。
しかも、苗字さえ載っていないなんて。
普通ならありえない。
学校では「素野雫」と名乗っているが、それが本名ではないことは丸分かりだし、隠す理由さえ見つからない。
どうして苗字さえも隠してしまうのだろうか。
博さんが雫のことをよろしく、と頼みに来た日だって、詳しくあいつのことを話してはくれなかった。



