「どうやら雫の“闇”は深そうだ」
さっきジッと見ていて気づいた、あいつの“闇”。
あいつも俺らと同じように、黒ずんだ過去を背負っている。
誰しもが過去を持っているが、傷を負った“闇”を背負っている人間は少ない。
だが、俺ら五人の過去は、全員傷がついている。
そういう奴らと一緒にいると、だんだんとわかってくるようになった。
傷のない過去を持っている人間と
“闇”を抱えている人間の瞳の区別が。
だから、直感的にわかる。
あいつは、隠しているようだけど、“闇”を背負っている…と。
「それって、俺ら五人よりもか?」
瑛士が興味深そうに尋ねる。