浅めに深呼吸を繰り返し、ゆっくりと歩いていく。
ゆっくり、一歩ずつ。
昔習った稽古と紅組でいつの間にか覚えていたことを思い出して、空気に敏感に触れて、周りの状況を確認。
音に少しだけ注意を払って、鋭く刃を尖らせる。
――今、紅組としての、化け物としての“雫”が蘇る。
タッ、と後ろから数名の足音が聞こえる。
少量だけど殺気も。
ブラックの奴らが私を、狙ってる。
私の真っ黒の瞳は、光を映さない。
その瞳が、瞬時に後ろへと向けられ、ブラックの奴らの姿が見えた。
「「!」」
ブラックは二人。
その二人は、私が素早い反応に驚きを隠せなかった。



