『!……雫、今の話……』
『聞いてた』
お父さんは私の姿を見て少なからず動揺した。
そんなお父さんの声を遮って、私ははっきりと言った。
聞きたくなかった。
あんな会話なんて。
こんな真実だったなんて、知りたくなかった。
『……そうか。知ってしまったのか』
『お父さん、今すぐやめて!人身売買なんて……。
お母さんと夜月を、失踪してしまった人たちを返して!!』
私は涙と怒りをこらえながら、必死にお父さんに訴え掛ける。
しかしお父さんは、考えることすら、悩むことすらしてくれなかった。
その逆。……お父さんは、お腹をかかえて笑ったんだ。



