『ははっ、まあな。別に俺はあいつらのことなんてどうだっていい』
……あいつら?
誰のこと?
『恐ろしい?馬鹿言うな。俺はあいつらのことなんて愛してなかったんだ。つまり、俺にとってあいつらは家族なんかじゃなく、ただの他人ってわけだ』
……え?
それだと、“あいつら”がお母さんと夜月、ってことになっちゃう。
嘘、だよね?
『そうだろ?いい考えだろ?
人身売買すれば、こちらに金がたんまり入ってくるからな。はははっ』
――人身売買?
小学五年生の私でも、それくらいの言葉は知っていた。
人を売る商売。
やってはいけない、禁忌。



