「でも、今は皆がいるから」 「あぁ、そうだな」 「また大切な人ができて、そばにいられて、すごく嬉しいの」 えへへっと可愛らしく笑う雫を見て、俺も目を細めて微笑む。 雫が近くにいると 心を縛っていた過去の存在が、少しだけ小さくなり、過去という名の鎖が緩くなる。 だから余計思うのかもな。 雫は大切だって。守りたいって。 心の底から、愛しいと。 たとえこの先の運命が、雫と離れなくてはいけないものだとしたら 俺は必死にその運命に逆らって、雫の手をつかみ、二度と離さないだろう。