「――いきなり、暗い話して悪かったな」
「竜……」
「でも、雫には知っといてほしかったんだ。俺の過去を」
俺にとって雫はもう、大切な人以上の存在で。
かけがえのない、必要な存在なんだ。
だから俺のことを、知ってほしい。
俺の抱えているすべてを、受け止めてほしい。
そう思うのは、俺のわがままなのかもしれない。
「私もね、大切な人を失ったことがあるの。すごく悲しかった」
雫はその時のことを思い出すように目を閉じながら言った。
きっとそれは、雫の過去と関係しているのだろう。
雫の表情は、いつになく寂しそうだった。



