「俺さ、仲間が傷つけられる姿見んのが、嫌なんだよ」




「そんなの私もだよ」





「傷つけられた姿見たら、さっきみたいに暴走しちまう」







自分でも制御不能になって、周りが見えなくなっちまう。





夜嫌いな郁人が暴走してしまった時のように。


郁人と俺は似たもの同士。






暴走する恐怖を知っている、似た者同士なんだ。







「瑛士が言ってた。『竜は人一倍仲間思いなんだ』って」




雫は俺を心配そうに見つめる。


瑛士がそんなことを……。






「確かに、そうかもな……」


そのせいで、暴走してしまうんだ。