恐いよね。


すごく、恐ろしいよね。





でも、あの日の私にはなかったものを、竜は持っているじゃない。








「竜」



私は、優しく竜のことを呼んだ。




竜は恐くない。

優しくて強い、大切な人。







「竜は自分のことを恐いっていうけど、私は……神雷の皆はそんなこと思ってないよ。
 竜が優しい心を持っていること、ちゃんとわかってるから」








大丈夫だよ。


竜がどんなに自分を嫌っても、その分私たちが愛してあげるから。




だから、自分から独りにならないで。

孤独にならないで。




一緒にいよう?