竜のことが恐いなんて、思えないよ。
竜はすごく優しい人だって、わかってるもん。
「……竜は、自分が恐いの?」
「あぁ、恐いさ」
自分の手のひらを見る竜。
竜は、自分の手をギュッと爪痕が残るくらい、強く握り締める。
「傷つく仲間の姿を見ただけで、あーなっちまう自分が恐い」
竜は片手で顔を覆い、儚い声でそう呟いた。
初めて見た、こんな弱々しい竜に、私はなぜか泣きそうな気持ちになった。
私もね、恐かった。
あの事件での私の姿は、まるで怪物で。
初めて自分の力がわかったと同時に、この力が原因で起こってしまった現状にすごく戸惑った。



