「ねぇ、竜……」
「……」
竜に近づくたび、私は竜の名前を震える声で呼んだ。
だが、竜には私の声が届かない。
既に敵全員は恐怖で怯えていて、神雷には敵わない、とわかっていた。
「もうやめてくれ……!俺たちが悪かった!!」
ライオンのような竜の怒りに直に触れたリーダーは、降参の意を示した。
が、竜にはその声すら届いていない。
竜、お願い。
私の声を、思いを聞いて。
私だって、傷つく姿を見たくない。
大切なものを守る姿はかっこいいけど、ここまで一方的にましてや相手が降参しているのに人を傷つける、そんな姿は見たくないよ……。



