「本当に珍しいな、蒼」
「瑛士まで言うか……」
千間さんは「どうしたんだ?」と聞きながら、瀬戸川さんと話している。
瀬戸川さんは「なんでもねぇよ!」と、顔を背けた。
あ、まだ耳が真っ赤だ。
そのことに、私は誰にも気づかれないように、クスリと笑った。
「蒼、もしかして……」
「どうかしたの?藍島さん」
ハチマキを取り、汗を拭っていた藍島さん。
しかし、瀬戸川さんの私への反応や態度を見て、目を見開いていた。
「あいつも――……」
ボソッと呟かれた藍島さんの声が、体育祭の応援の声に負けて聞こえない。
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