ダメだ……。 このままじゃ、怒りで力が……っ。 震える。 でもその震えは、恐怖からじゃない。 暴走に耐えられなくなっている証。 「……めて、」 やめてよ。 もう、誰も傷つけたくないの。 「――お兄さんたち?」 後ろから声が聞こえて、ビクッとする。 その声からは、威圧を感じられる。