――パンッ ピストルの音が、グラウンドに響き渡る。 私はピストルの音が響いた瞬間、駆け出した。 風が、気持ちいい。 なにも考えなくていい時間。 ただひたすら、前へ走ればいい。 そんな単純な世界なら、どれだけよかっただろうか。 「はぁ、はぁ……」 気づいたら、走り終えていた。 もちろん一位でゴール。 時間があまりにも短く感じて、少し拍子抜けしちゃった。 もう……終わっちゃった。