『なに、それ。助手とのメールで、こんなこと言うの!?』 お母さんはお父さんの携帯画面を突き出して、そう叫ぶように言う。 目のいい俺は、その画面を見た。 〈愛してる〉 子供の俺でも、わかる言葉だった。 その言葉がどんな意味を持つかも、わかってしまうくらい。 『……』 『なんとか言いなさいよっ』 お父さんはまた黙ってしまった。 お母さんの涙が頬を伝い、床に落ちる。 お母さんは辛いと泣き叫ぶかのような表情をしていたけれど、お父さんは違った。