「瀬戸川さんと、同じ……?」




「俺も、若干女恐怖症なとこ、あるのかも」






俺は前髪をかきあげながら、雫ちゃんを見る。







さっきまで雫ちゃんをリンチしていた女たちに、少しだけ恐れていたのかもしれない。


雫ちゃんのことだって、女だから怯えていたのかもしれない。





蒼よりはマシだとは思うけど。







「それってどういう……」



雫ちゃんは首をかしげながら、詳しく知りたい様子で呟く。








……雫ちゃんになら、教えてもいいかもしれない。



雫ちゃんなら、俺の心を救ってくれるかもしれない。






小さく、だけどはっきりと言っていた「助けて」を、聞き取ってくれるかもしれない。








そして俺は、ゆっくりと語り始めた。自分の過去を――。