私は自分の手をギュっと握る。 「千間さんをひとり残して、行けないよ」 今の千間さんは、いつもとは違う。 小さな子供のように、何かに泣いているような。 凍ってしまった心を、溶かす術を探しているような。 ……千間さんが今考えてることなんて、これっぽっちもわからないけど 今ひとりにしちゃいけないことだけは、はっきりしてる。 私の言葉を聞いて千間さんは、目を見開いて私を見つめる。 見開いていた千間さんの目が、だんだんと細くなり、小さく笑う。 「バカだな、雫ちゃんは」