「博さんからワケありだと聞いていたけど、ここまでとはね」
「大きな闇を抱えていそうだな」
小泉さんは真剣な顔つきから、さっきまでの穏やかな表情へと変わり
千間さんはパソコンを閉じて、小さく微笑んだ。
……え?
私、なにも秘密の一つでさえ話していないのに……。
「でもいいじゃん!雫ちゃん可愛いしさ♪僕、気に入っちゃった」
すぐ隣の新道寺さんは、ギュッと私のことを抱きしめた。
その突然の行為にびっくりして、「きゃっ」と声をあげる。
瀬戸川さんは「チッ」と大きな舌打ちをして、睨んでいた瞳を逸らした。
「ま、お前のこと信頼したってわけじゃねぇからな」
藍島さんのきつい一言に、私は目を伏せる。
やっぱり、そうだよね。



