ここまで案内してくれた千間さんは、自分のパソコンをいじりながら、そう言った。
どうやら彼は、ハッカーらしい。
私の情報をハッキングして、調べていたんだ。
……そりゃ、出ないよね。
私の情報は、厳重にロックをかけて、どんなに天才のハッカーでも見られないようにしてある。
「博さんがそうしてるならわかるけど、一つ腑に落ちないことがあるんだ」
「……」
「どうして、調べても君の名字が出ないんだ?」
……やっぱり、聞かれるか。
本当は、そこには触れてほしくないんだけど。
私の苗字は、すごく珍しいってわけでもない。
だけど、“裏の世界”の人なら、絶対「え」ってなる。
絶対……もしかして、って思う苗字。



