A組の存在って、ほとんどの生徒が知らないんじゃなかったの?
この教室だって、ほかの教室とは少し離れたところにあるのに……。
「最近、誰かが学校掲示板にA組のことを書いちまってさ、今じゃほとんどの生徒がA組のこと知ってるよ」
一之江先生が後ろ頭に手を回して、困ったように笑った。
「チッ、何してくれてんだよ」
瀬戸川さんは、こっそり舌打ちをする。
教室の前にいる女の子たちは、「こっち向いてー」「大好き!!」「きゃ~~っ」と、
うるさいくらいの悲鳴に近い黄色い歓声で、神雷四人に手を振ったり、携帯のカメラを向けたりしている。
「ぼ、僕たち人気だねぇ……」
「人気になっても意味ないけどね」
郁人くんと千間さんは、女の子たちの声にぎこちなく笑顔を見せた。
優しいな、二人とも。
瀬戸川さんと藍島さんなんて、さっきから睨んでるのに…。



