「そろそろ行こっか。郁人がお菓子を待ってる」 「そうだね」 さっきの冷たさが、なくなった。 いつもの千間さんだ。 ……でも、さっきのあの鷹のような瞳はなんだったんだろう。 冷たく鋭い、あの目つき。 私は気づいてしまったんだ。 千間さんのさっきの瞳の奥が、少しだけ揺れていたことに。 何かを恐れている? ……それは、千間さんの“傷”なの? 千間さんは、私を信じようとしてくれた。 人一倍、信頼という気持ちに敏感なのかもしれない。 その信頼が、“傷”と関係あるのかな?