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それは、俺が中学一年の頃。



蝉の声が聞こえる、ある真夏の日だった。






『新平兄ちゃん!』




俺にはひとりの弟がいた。





名前は、爽平【ソウヘイ】。


3才下の、小学4年生。





『父さんが一緒に釣りに行こうって言ってるよ!早く行こっ』


『わかった、わかった』





爽平は俺を慕ってくれてて、なついていた。


俺も、兄らしくしなきゃな、っていっつも思っていた。





爽平の笑顔は、いつだってキラキラしてて太陽みたいだった。