「雫ちゃん……?」 雫ちゃんは、僕の過去を受け止めてくれたかのように、僕を抱きしめた。 「郁人くんは独りじゃないよ」 「え…?」 「神雷がいる。…私がいるよ」 雫ちゃんの声が、僕の傷を負った心にしみる。 視界が涙で歪んでいく。 雫ちゃんは、怯えてないでくれた。 僕の過去に、目を背けないでくれた。 雫ちゃんは、僕の心を優しく包んでくれるんだね。