「――今でも夜になるとね、たまに夢を見るんだ。お父さんの凶暴な姿と、飛び降りたあの光景を。その恐怖が、たまに暴走しちゃうんだ」 暴走したとき、僕は自我を忘れて、誰かれ構わず襲いかかってしまう。 暴走が終わると、僕は意識を失う。 最近は暴走していなかったんだけど、どうしてかな。 今日は、麻薬取り引き現場にいたせいかな。 久し振りの暴走に、雫ちゃんを巻き込んでごめんね。 ――ギュッ…… え? 僕は、温かな優しさに包まれた。 安らぐ、優しい温もりに、僕は戸惑う。