そのあと、お父さんを診てくれたお医者さんに聞いた。
お父さんが、悪い薬を飲んでいたこと。
お医者さんはその薬を『麻薬』とは言わなかった。
多分、僕に気を使ってくれたんだろう。
『このあと、もしかしたらお父さんが幻覚を見るかもしれないけど、心配しなくていいからね。その症状が終わったら、前のお父さんに戻るから』
『ほんと?お父さん、元に戻る?』
『戻るよ』
お医者さんの言葉に、僕は嬉しくなった。
お父さんのあの笑顔が、また見れるんだ。
前のお父さんに会えるんだ。
そのことが嬉しくて、この先の未来は幸せなものだと、完全に思い込んでしまった。
最初から決められた幸せなんて、この世界にあるはずないのに――。



