完全に夜に包まれた。 すっかり暗くなった空に、ところどころ星の輝きが見える。 「お前のせいでもう夜になっちまったじゃねぇか」 スーツの男はそう言いながら、郁人くんに腕を振り下ろす。 郁人くんは男の言葉を聞いて、目を丸くした。 「夜………」 聞こえるか聞こえないかくらいの郁人くんの小さな呟きを、私は聞き漏らすことなく拾った。 え?夜、って言ったよね郁人くん。 そういえば 私がさっき質問した言葉の中にも「夜」という単語があった。 やっぱり郁人くんは、夜が嫌い?